2024/04/10 16:05


糸魚川翡翠と一口にいっても 色々な質・カラーがあります。お問い合わせ頂いた際に よくご説明させて頂いておりますが、百聞は一見に如かず。この輪は、職人が原石を珠に仕上げる度 サンプルに…と増やし繋ぎ続けてきた標本です。何年も続け、数珠のような長さになりました!

翡翠と言えば「緑色の石!」というイメージが やはり一般的ではありますが、青・ラベンダー・黒・白、そしてその間にある無限の色彩。よくよく翡翠に関わっていくと 本当に色んな個体があって知れば知るほど奥深く感じてしまいます。


当店は、糸魚川翡翠原石を現地で目利き・仕入れた後、職人の手作業で製作したものを販売しています。
いち早く 優良な原石情報を仕入れる嗅覚・そして翡翠の目利き・そこからさらに 原石部位の選別・試作、手間暇を惜しまず完成させていく。このやり方を開業当初からずーっと続けています。…書いていても思いますが、大多数の半貴石加工品ができるまでの製法とは真逆の茨道!それでも、「姫石のやり方はこれだ」という姿勢を守り続けてくれているからこそ 安心して皆さんにお届けできています。

重要な原石の目利きは、「原石として全体の見立てがよく 風情を感じるようなもの」…ではなく「加工した際に 翡翠がさらに美しくみえるもの」を職人が選定してます。

とはいえ 最初から大当たり原石ばかり買い付けることができたわけではなく、原石状態で色味が良く出ているようにみえる個体でも 加工すると「あれ~?!」とびっくりするほど、色合いがぼやけてしまい 原石状態のままのほうがよかったということもしばしば…職人の目利きに同行したとき「翡翠の原石は割ってみるまでわからない」そんなフレーズを本当によく聞きました。


糸魚川翡翠の主要産出ポイント、同カラーでも少しづつ 質・色彩配置が違います。
特に色濃いものは華やかさからインパクトも大きく 目に留まり 本当に美しいのですが、こうして見渡すと淡く薫るような色付きのものも うつくしい…

産出ポイントだけではなく、どんな経緯でこの原石が目の前にあるのかという 原石にまつわるストーリーがちゃんとあって、それを知っていると また一段と 石に対しての見方がたのしくなります。私よりずっと長生きの翡翠、その昔話はリアルで興味深いものばかりです。

青翡翠に関しては、ついに茄子紺まで…!!珠製作はロスも多く 小さな原石ではいいとこどりできない為、茄子紺のようなレア中のレアは原石のまま楽しむのが通例、よく崩して珠にしたなぁ…と思いますが、加工されるとまた一段とうつくしい。うちの商品を手に取ってくれるお客様に残念な思いをさせたくない、満足してもらえるように妥協しない!という職人の思いが強いからこそ、実現した珠だと言えます。

サンプルにと珠を綴ってきた輪ですが、一個人が所有するにはもったいないと思うほどの珠も多くあり、いつかもっと多くの人の目に触れるようになってほしいなぁと職人と話しています。 

輝石・貴石・奇跡…そんな色んな思いから  始まった姫石、歩みは遅くとも これからも真摯にコツコツと積み上げていきたいと思います。